ゲームが終わった瞬間に、まざまざと蘇ってきたのは、2002年、雨の宮城のトルコ戦。そのとき私はスタジアムの観衆の一人だった。トルコの堅い守備を突破できない焦燥感。決定力の不足。そして終了のホイッスルと共に訪れた深い脱力感。それが再びこみ上げてきた。
あのときも世間は「ベスト16、よくやった、ありがとう」と納得した。戦いに負けたのに「ありがとう」で終わる、いかにも日本的な美風。しかし、勝因をではなく敗因を厳しく分析しない限り、また同じことを繰り返すのではないか。
たしかに今回のチームの成長はめざましい。戦術は徹底し、個人がよく動いた。とりわけデンマーク戦の戦いぶりはパーフェクトに近い。本田は抜きんでたFWであり、中盤との連携も緊密だった。
しかし、パラグアイ戦ではまた8年前に戻ってしまったかのようだった。組織的な守備をする相手には、相変わらず勝てない。FWは前線で孤立し、中盤は効果的なパスを前に送れず、DFはけっして俊敏とはいえなかった。2つの試合のこのギャップはなんなのだろう。
90分+30分では負けなかったという人がいる。たしかにそこでは負けていないが、同時に勝ててもいない。PK戦にもつれこむ前に試合を終わらせなければならなかった。世界レベルの戦いでは、日本代表のシステムはいまだ安定感を欠く。とうてい安心して見ていることができるレベルには達していない。
こうしたもろもろの壁を越えない限り、けっして一歩前進などと言ってはいけないのだ。
この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。
「感動をありがとう」って、かなり薄気味悪い言葉。佐野にパラグアイ人が50人くらい住んでいるのと、サノが健康という意味だということを知ってちょっと嬉しい。。
中盤の底に阿部、トップに本田を置いたシステム、闘莉王と中沢の頑張りがよかったってことだよね。にしても、PK戦での駒野のミスは、ほぼ永遠に語り継がれるんだろうな〜。ま、熱くさせてもらったぜ!