午前中、惰眠を貪っておったが、五月晴れにせかされるように午後3時過ぎから散歩に出る。本郷あたりでふらりと錦糸町行きの都バスに乗り、しばしうつらうつらしていると、ふと窓外に偉容・異様な風景。墨田区太平2丁目あたり。バス停の北方800mほどのところに東京スカイツリーが建築中なのだった。
バスを降りてそちらへ歩いてみる。人には見慣れぬ巨大建造物が目に入ると、とりあえずはそこに向かって歩くという習性があるのかもしれない。他にも引き寄せられたように、途中でカメラをパシャパシャやりながら、向かう一群の人々がいた。
スカイツリー、まあ、デカイです。「タワーをつくるだけでなく、タワーのある街のにぎわいをつくる」というのが、スカイツリーを核とした多機能複合型開発プロジェクト「Rising East Project」 の狙いだ。その趣旨がホンモノだとすればよろしいのではあるが、しかしこの太平、横川あたりの街並みへの影響というといかほどのものだろうか。
街路は整然とした碁盤の目で区切られ、おそらくは戦後か、高度成長期に大規模な再開発が行われたことを物語る。なんとなく平べったくて、下町の風情はもはやない。古い木造民家は少なく、中途半端にせこせこしたビルばかり。日曜の午後ということもあるのか、あるいは住民はみな三社祭に出かけてしまったのか、妙に閑散とし、目立つのは空中を覆う電線のみ。タワーを起爆剤にしてこの街をどうにかしたいのだろうが、はたしてその余力が地元にあるのかどうか。
業平橋からは上野公園までのバスを拾い、途中、三社祭で賑わう言問通りを抜け、上野桜木町で降り、谷根千あたりを経て戻ってきた。晩飯は「燐」にて。燐の板橋チャンに「Twitter始めました」の掲示はいいけれど、肝腎のアカウントを明示しないと意味ないんじゃないってな話をする。
今晩は南風。部屋の中が妙に暑い。
この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。