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ひろぽん小石川日乗

心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば

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「ひろぽんの南イタリア旅行記」はこちら。

2010-02-02 (Tue)

[photo] 両国橋慕情

そうか、武蔵国と下総国の二つの国にまたがるから「両国橋」なんだ。

17世紀中葉、この橋の建設は、江戸が川向こうに一気に拡大し、本所、深川の存在が江戸の経済発展を担うようになるきっかけにもなったとか。それまでの隅田川は防衛上の観点から、庶民が自由に架橋できるものではなかった。

現在の橋は、1930年代の最新鋭技術による「ゲルバー式鋼鈑桁橋」。河川敷のプロムナードには浮世絵をあしらったレリーフが飾られ、散策スポットとしての文化的洗練度は都内有数というべきほど優れている。

画像の説明


2010-02-07 (Sun)

[life] 奥飛騨など

先週は出張で名古屋→高山→奥飛騨→名古屋→米原→日野と動く。奥飛騨はほんと山の中。めちゃ寒いところだけれど、温泉は豊富。掛け流し源泉を利用してドラゴンフルーツのハウス栽培を始めた青年実業家。帰りはぜひとも温泉に寄りたかったのだが、道路の凍結が心配で、遅くならないうちにカメラマンの車で名古屋まで戻った。居酒屋で名古屋風のミソ串カツというのを食ったが、ちょっとイメージが違った。奥飛騨

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_ ga [飛騨なら飛騨牛。うまいっす! あとはほうば味噌でしょう。私は日帰りで奥飛騨まで出張したことがあるが、乗り物移動時間計..]

_ bacci [奥飛騨なら温泉。福地温泉の長座がお勧め。(ちょっと)雪があるくらいがイイですね。]

_ ひろぽん [あっ、みなさん私を悔しがらせようと思って...]


2010-02-09 (Tue)

[movie][book] パリとアメリカ人

 この前、ディカプリオとウィンスレットの『レボリューショナリー・ロード』(2008年)という映画を観ていたら、戦後アメリカ経済の黄金期と都市ホワイトカラーの大量発生、そして彼らを吸収した、郊外に広がる新興住宅の様子がよく描かれていた。戦後ベビーブーマーたちの親の世代の原像だ。

 一見、絵に描いたように幸福なアメリカン・ウェイ・オブ・ライフなのだけれど、その裏には、鬱屈と虚無も忍び寄っている。

 ウィンスレット扮する妻は、「パリで人生をやり直したい」と唐突な夢を描く。亭主もそれに巻き込まれて、えらい迷惑という話なんだけれども、妻にパリへの憧れを搔きたてたのは、亭主が欧州戦線への出征時に撮った、エッフェル塔を背景にした一枚の写真なのだ。戦争がもたらしたアメリ庶民のヨーロッパ体験。それが「ここではないどこかへ」という幻想のエンジンを回転させる。

 アメリカ人にとってのパリは、日本人と同様に、やはり憧れの都であり、一部の人にとっては、大衆社会における疎外を解消してくれる実存の都なのだろう(いや、だった、というべきか)。

 パリに眩惑されるアメリカ人というのも、昔からよく描かれたテーマで、ロマン・ポランスキーの『フランティック』(88年)なんかもその一つ。文字通り『巴里のアメリカ人』(51年)はガーシュウィンの楽曲に触発されてできた楽しい映画だけれども、ここでのアメリカ人はパリに熱病のように浮かれている。

『レボリューショナリー・ロード』の妻が夢見るパリ生活も、まったくの熱病で、少しも現実味がない。家を売る準備をし、荷物の梱包まで始めてしまうのだけれど、パリでは当面の仕事のアテさえないのだ。パリは、ヨーロッパに実在する街というより、空漠な心の闇の中に生まれる一つの幻視体験のようでもある。そこで忘れてならない映画が、ヴェンダーズの『パリ、テキサス』(84年)だろう。テキサス州にある小さな田舎街パリは、崩壊した家族の夢の潰える先、そして再生の象徴でもあった。

 ところで、これまでテキサス州パリなどという地名は、脚本家サム・シェパードの想像の産物かと思っていたら、実際に存在するらしい。向井万起男さんの『謎の1セント硬貨──真実は細部に宿る in USA』(2009年、講談社)というエッセイ集で教えてもらった。

 テキサス州のパリには、エッフェル塔のレプリカもあって、天辺に巨大なテンガロンハットがかぶされているという。親切にもこの本には、テンガロンハットをかぶった妻の、アストロノーツ・向井千秋さんが、そのテキサスのエッフェル塔の前で撮った記念写真まで添えられている。笑っちゃうけど、その(笑)を大まじめに追求するのが、エッセイスト・向井万起男の真骨頂なのだ。

 ついでながら、パリという街はテネシー州にもあるらしい。アメリカ人は国内に海外の地名をもじった街があり、そこにはまるで記念写真の書き割りのためだけのような象徴的建造物まであることを、「移民の国アメリカの文化多様性」と誇っているのだとか。たぶんその「誇り」は、デイズニーの「国際色豊かな」テーマパークにも受け継がれていて、その幾分かは、田舎町にオランダ村とかドイツ村を忽然と出現させる日本人のビジネス感覚にも影響している。


2010-02-23 (Tue)

[life] 旭山動物園

少し前のことだが、10日の旭川出張の後、1泊して「旭山動物園」に行ったのだ。行動展示が世評高い動物園は雪の中だったが、お客さんがたくさん。韓国語、中国語も頻繁に聞かれ、アジアからの北海道ツアーの重要なスポットになっていることがわかる。

ペンギンのお散歩がこのシーズンの目玉。円筒型の水槽をくぐり抜けるアザラシのおなかは、たしかにびっくりする。キリンなど熱帯の生き物も、零下の雪上でモクモクと元気そうだった。

展示方法を工夫した動物舎のデザインや、手作りのガイドプレートなど、いろいろと感心することが多い動物園だが、なによりいいなあと思ったのは、飼育担当者のワンポイントガイド。飼育している人こそが、一番動物のことがわかると、旭山がこれほど有名になる前から続けられていた教育学習活動だ。

ちょうど総合動物舎でカバのワンポイントガイドがあったので、聞き入った。45歳の古参のカバ「ゴンちゃん」。老齢と寒さのせいか、動きが鈍い。飼育係の大越さんが雪の上に好物の果物をおいても、ちらっと顔を向けるだけ。早く、室内に入りたそうだ。結局、ガイドの間、ずっとお客さんのほうに大きなお尻を向けたままだった。

しかし、この間も客の関心を一瞬もそらさない大越飼育員の解説は聞きごたえがある。カバが表皮から分泌する「赤い汗」の意味を初めて知った。種の一般的説明にとどまらず、個体のおいたちにも触れ、飼育係と動物の交流の様子までよく伝わる。30分の間、立ち去る客が一人もいなかったことにも驚いた。たんに動物園や動物が好きというだけでなく、飼育員にもきっとファンがついているのだろう。

年間パスポートを買ってまで通いたくなる人がいるのが、よくわかる。

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その他の写真はこちらでどうぞ。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_ kazutana [年間パスポート安すぎですね]

_ N田 [その年間パスポートを買って一度しか行けなかったのはうちの一家です。まさか帰ってくるとは思ってなかったんだもん。ちなみ..]

_ ナラン [カバが表皮から分泌する「赤い汗」を撮ってこれなかった? 見たい!]


2010-02-26 (Fri)

[trip] ほくほく線

2/17の出張は、新潟県上越市。市町村合併前は東頸城郡といっていたあたり。越後湯沢から「北越急行ほくほく線」に乗り換えて出かけたのだ。

一帯は全国有数の豪雪地帯。山脈を縫うようにトンネルが続く。まさに、トンネルを抜けるとそこ「も」雪国だったという感じ。トンネル内の信号所に停車した普通列車を特急列車が追い抜くという珍しいシーンも見られた。

ただまあ、いろいろ心が急いていてね、ゆっくり旅情に浸るというわけにはいかなかったな。

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本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ circus [秋の稲穂の美しさに、それをみるだけに乗ってもいいかなと 思ったことがあります。]

_ ぜっぴ [「雪国はつらつ条例」を作った自治体のことを取り上げた教科書が「雪国は辛いよ条例」と間違えたため、かえって話題になった..]


この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。