『ワルキューレ』の一番のポイントは、史実に基づいた作品だということです。ナチスドイツやヒトラーをテーマにした映画は数多くありますが、「ドイツ内にもナチスに対するレジスタンス運動があった」こと、さらに「ナチス政権の中枢にいる人たちが関わった大胆な暗殺計画が実行された」ことまで描いた映画は、ほとんどなかったのでは?「ほとんど……」と逃げているが、2004年にテレビ用映画として『オペレーション・ワルキューレ』という作品がドイツで製作され、日本でもDVDが販売されているのを知らないのか。WoWoWでも先週の日曜日に放映されたようだ。トム・クルーズ版の映画紹介を読む限り、ほとんど同じストーリーだ。たしかに知名度ではトム・クルーズには負けるが、『オペレーション……』主演のセバスチャン・コッホ(後に『ブラックブック』『善き人のためのソナタ』などに出演)の演技は見事だった。 他にもこのヒトラー暗殺計画を描いた映画は複数存在する。そのことを、多くのメディアがあえて無視している。「知られざる史実の初めての映画化」というニュアンスをキャッチフレーズに入れて封切りを盛り上げたい一心なのだろうが、こうした過去の作品に敬意を表しない態度は、たとえ配給会社の宣伝マン(と化したライター)とはいえ、いかがなものか、と思うのである。 ナチス抵抗ものの映画に一定の関心をもつ私ではあるが、そういう事情もあったりして、トム・クルーズ版にはあまり食指が動かないのだ。
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「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」はいい映画だったよね。あれも史実に基づいているのだ。「ドイツ内にもナチスに対するレジスタンス運動があった」わけで。ヒトラー暗殺計画ではなかったが・・・。