映画や本のことなど、とりあえず記録まで。
『レッド・ダスト』(イギリス/南ア 2004年/劇場未公開/WoWoW)
アパルトヘイト撤廃後の南アの話。先日観た『マンデラの名もなき看守』の後日談ともいえる。
赤い砂塵の舞う土地をトレーラーで回る「真実と和解委員会」の巡回法廷。そこに迎えられた南ア出身で、現在はニューヨークで仕事をする若い弁護士の役をヒラリー・スワンクが演じている。法廷で明らかにされる弾圧と裏切りの事実。白人と黒人の根深い対立と、それを超えていこうとする努力。まさに「真実と和解委員会」のキャンペーン映画のようであるのだが、ともあれ、そういうことがあったんだということを知る上では得がたい作品。(★★★☆☆)
『バトル・イン・シアトル』(アメリカ/カナダ/ドイツ 2007年/これも劇場未公開/DVD)
WTO反対運動の現状は日本ではあまり話題にならないが、先日もジュネーブのデモで33人が逮捕されるという事態が生じた。これは一時、シアトルを非常事態宣言下においた1999年のWTO反対活動の実話に基づく。
主人公らは非暴力反対運動を貫こうとするが、運動の宿命として暴力を行使する人々も出てくる。ただ、彼らがなぜWTOに反対するのかの論理が映画のなかではうまく表現されていない。個人的恨みではないかと誤解させる恐れもある。役者は、レイ・リオッタとシャーリーズ・セロンしか知らないが、後者はいわば脇役。セロンが反WTOの闘士として登場するわけではなかった(期待してたんだけれど)。
映画としての面白みはイマイチだが、これもまた、世界の出来事を知るうえでは重要な作品かと思う。(★★1/2☆☆)
ちょっと欲しいかなと思う本。
『太宰治選集』太宰治生誕百年記念出版—全3巻(柏艪舎)
読者の年代別にお薦めの短編を編んでいる。若いときに読んだものも、年老いて読めばまた別の味わいということで、巻をまたいで重複収録される作品がいくつかあるというのだが、全巻揃いで買っちゃう人にはムダがあるということか。版元は札幌の小さな出版社らしい。
『希望学』全4巻(東大出版会)
釜石市における地域研究も含まれているというので、ちょっと関心が...
「週刊読書人」「図書新聞」のバックナンバー、読まずにいるのがずいぶんたまってしまった。ちゃんと読み出すと、必要以上に本が欲しくなるし、困ったものなのだけれど。
毎年、一つの雑誌を年間購読することにしている。雑誌のテイストとか編集方針とかは、少なくとも1年通して読まないとわからないから。
2009年は新潮社の「芸術新潮」だった。知り合いにこの雑誌の編集者がいたこともあるのだが、どうも私の「芸術的」関心とは少しズレていたみたい。結局、あんまり読まなかった。
ちなみに、2008年は岩波の「世界」。これも編集長は学生時代の知り合い。ほとんどガラパゴス化しながらも、個人的には残って欲しい雑誌なので、ある意味カンパのつもりだった。3年おきぐらいに、おお、まだ残っているのかと気づいて、定期購読している感じ。
2010年はどうしようかなと考えて、「ナショジ」に決定。深い意味はないのだけれど、グラフィック誌なのに小型版で、日本のメディアとは微妙に違う、その視角に期待できるかもと思ったものだから。
併せて、すんごい地味だけど「神奈川大学評論」ってのも、定期購読することにした。
小熊英二の『1968』上下本。近所の書店、あゆみブックスでは発売直後から新刊書コーナーに平積みで並んだ。5カ月も経つというのに、相変わらず平積み。新聞書評の切り抜きがPOP替わりに立ててある。
道路に面したディスプレイにも、新刊の入れ替えで他の図書がころころと変わるのに、これだけは一角を占めつづけている。もちろん、歴史・ノンフィクションのコーナーにも写真のように表紙を表にして...。ちなみにその左は小熊の『<民主>と<愛国>』。右隣は連合赤軍事件の関連図書だ。
専門書がないわけではないが、スペースの過半はコミックス、文庫、雑誌に占められている、いっけんふつうの中型書店なのだが、この『1968』への贔屓というか、気合いの入れようはなんだろう。上下巻総額14000円なにがしの本が、そう飛ぶように売れるわけでもあるまいに。団塊世代の店長でもいるのだろうか。それともチェーン本部の方針なのろうか。
それはともあれ、8月から枕辺のナイトキャップがわりにしずしずと読み続けているこの大著。壮大な「歴史絵巻」をひもとくような面白さがあるのだが、下巻の連合赤軍の章に入る段になって、一時ストップしたままだ。事件の悲惨な性格からして、そこに入る前に呼吸を整える必要があったから。そうこうするうちに、別の本が闖入してきてしまった。ただ、あと一息ではあるので、年内には通読できるはず。
中村文則著『掏摸』/河出書房新社
伸井太一著 『ニセドイツ 1 東ドイツ製工業品 共産趣味インターナショナル』/社会評論社
伸井太一著『ニセドイツ 2 東ドイツ製工業品 共産趣味インターナショナル』/社会評論社
平野克己著『アフリカ問題 開発と援助の世界史』/日本評論社
『地べたで再発見!『東京』の凸凹地図』東京地図研究社著/技術評論社
『60歳からの青春18きっぷ』芦原伸著/新潮新書
『脳科学の真実——脳研究者は何を考えているか』坂井克之著/河出ブックス
『美術で読み解く旧約聖書の真実』 秦 剛平著/ちくま学芸文庫
——以上は購入予定。
『冬の兵士 イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実』反戦イラク帰還兵の会著/岩波書店
『アメリカン・テロル 内なる敵と恐怖の連鎖』下河辺美知子編著/成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書/彩流社
『「地球の歩き方」の歩き方』山口さやか・山口誠著/新潮社
『新世界透明標本』冨田伊織著/小学館
『特攻と日本人の戦争 許されざる作戦の実相と遺訓』西川吉光著/芙蓉書房出版
——以上は購入済み。
しかし、相変わらず四方八方、とり散らかっている私の関心。
リーガ放映のWoWoWでは、ずいぶん前から「至高の挑戦!バルセロナvsエスパニョール」と題して、日曜日のバルセロナ・ダービーの番宣を繰り返していた。当然、番組には俊輔を登場させて、前景気を煽っていたのだが、残念ながら当日の試合で俊輔はスタメン落ち、結局最後まで出番はなかった。WoWoWの番組担当者もガックリというところだろう。
エスパニョールというチーム。攻撃が単調で面白みがない。俊輔がからむ以前の基本的な部分に問題を感じる。もし次節勝てなければ監督馘首の可能性が大。司令官が替われば俊輔の使い道も変わるかもしれないが、あまり期待はできない。
続く、バレンシア×レアル戦も見てしまったのだが、途中から登場のホワキンが今季初ゴールを決めて快哉を叫んだものの、あと一歩のところで惜敗。ここでレアルを叩いておけば、勝ち点で2位に並べたのに。
土曜日の天皇杯では、ベガルタ×フロンターレ戦が面白かった。実は今季のベガルタを見るのは初めて。元鹿島の平瀬、おお、まだやるではないか。来期はJ1だから、仙台でのホーム観戦も含めて、もうちょっとマジに応援してやろう。
この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。
_ E.T. [そういえば朝日新聞にこんな記事が載っていました。 http://book.asahi.com/clip/TKY20..]
_ ひろぽん [おお、そうですか。「賛辞を集める一方、当事者から事実関係などをめぐる批判も..」私が知りうる範囲でもいくつかの間違い..]