ひと月近く日記を更新していないと、何かあったかと思われるので、近況まで。
名古屋本の企画がスタートして、中部地区の企業取材が目白押し。全部自分一人でやるつもりはないんだけれど、スケジュールの空いているままに日程を入れていったら、週に3回出張なんて事態に。この前なんて、帰りの新幹線で固まったまま寝てたものなあ。老体には堪えるわ。
当然、原稿の締切は山積し、ちょいヤバ。
こういうモウロウとした時節は、何か買い物をしてしまうというのが私のサガで、切羽詰まった必要もないのに、Windowsノートを新調。一種のストレス買い。
直前まではこれまでと同じ、Let's note を考えていたのだが、新宿ヨドの店頭で気が変わって、超薄型の dynabook に。芝のエレクトロニクス製品って、これまでビデオやDVDは使ったことはあるが、PCは初めて。
薄くて軽くて、バッテリーの持ちがいいのはいいんだが、やっぱこれ、Windows で動いているんだわ(笑)。しかもVistaだし。おせっかいでうざったくて、何をどうすればいいのか路頭に迷う窓の性質は変わらんね。
ともあれ、そこをなんとかゴシゴシして、だんだん使えるようにはなってきた。一緒に新規契約したeモバイルは名阪、京都の新幹線駅ではそこそこ使える。トップスピードに乗るまでは、動いている車中でも電波を拾っていた。で、さっそくWILLCOMEを解約。
ともあれ、7月一杯は忙しいまんまだな。8月になったら、どうかなあ。スペイン語と英語の勉強も途絶えがち。
NHKハイビジョン特集「戸井十月インタビュードキュメント 全共闘それぞれの“決着”」が面白かった。日大・東大闘争まっさかりのころ、私は田舎の中学生という世代だが、その後、大学生になってから、全共闘の生き残り──良質な部分も悪質な部分も含めて──とは何人にも出会うことになる。
戸井十月がここで言うように、全共闘は一つの世代ムーブメントではあったが、それにもかかわらず、彼らのなかには、一つの世代としてくくられることを拒否するそれぞれの物語があることは自明の理だ。
言うまでもないことだが、そのときの「青春」も、その後の「ポスト青春」も、きわめて固有のものだったのだ。
それぞれの小さな物語を、かつては武蔵美全共闘の一員だった戸井が丹念なインタビューで引き出している。いま彼らの職業はと問えば、酪農家、弁護士、ノンフィクション作家、思想家、会社経営とさまざまだが、形は違えど、世の中と自分という関係軸において筋を通してきた様子がわかる。むろん、そのようには筋を通せなかった人々のほうが大半であることも、また事実であるのだが……。
最後の「あなたの青春はいつ終わったか」という質問は、ま、愚問といえば愚問だろう。たんなる青春回顧に終わらせず、全共闘の問題提起を、いまアクチュアルな視点から、振り返るという意図がもう少し欲しかった。
インタビュー対象者の中に、一人女性で、元東大生、いまはデザイン事務所を経営しているという人がいた。ある種の挫折感を抱えたままその後の人生を生きながら、彼女のなかの闘争の倫理性は揺るぐことはなかった。そのようにしても、いやそのようであればこそ、人は、美しく歳を重ねることができるのだ。
この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。