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ひろぽん小石川日乗

心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば

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「ひろぽんの南イタリア旅行記」はこちら。

2005-08-31 (Wed)

[movie] 最近の映画から

3カ月ほど前から、TSUTAYA の DISCASというDVDレンタルサービスを利用している。ネットで予約するとDVDが郵送されてきて、見終わってポストに投函すると、次の予約作品がまた郵送されてくるという仕組み。近所のレンタル屋ではしょっちゅう貸出中の話題作も比較的楽に借りられるし、マイナー作品もそこそこラインナップされているし、なによりレンタル屋に足を運ぶのも面倒な最近の足腰の弱ったオレには便利かと思って……。

月額固定会費制を選んだので、その月に1本も見なくても会費は徴収されるし、枚数割りにすると割高ではあるのだが、それがかえって映画を観る習慣づけになるのではないか、という思いもあった。

このシステムを利用して最近見た映画から。

「ベッカムに恋して」(グリンダ・チャーダ監督、2002年)は、ただの少女スポ根ものかと思ったら、イギリス社会におけるマイノリティー差別、さらにそのインド系移民社会における女性差別の問題も複合的にからめて、ちょっぴり社会派的なコメディ作品だった。
試合中に「パキ!(パキスタン系への蔑称)」とののしられ、逆切れしてレッドカード退場となった主人公の少女が、それを訴えると、「オレだって、アイリッシュなんだよ」と監督が慰めるシーンがある。ポストコロニアル的構造をいまなお孕むフットボールというスポーツの一端をかいま見せてくれる。
主人公のインド系美少女、パーミンダ・ナーグラのフットボールへ込めた情熱がステキだ。その後美しく成長したキーラ・ナイトレイが、ツートップのもう一人のFW役でからむ。冒頭にサッカー解説者役で登場しているのは、ほんもののギャリー・リネカーではないか!というサッカーファンならではのお楽しみも。
「魔王」は「ブリキの太鼓」のフォルカー・シューレンドルフの96年の作品。うかつなことに、この映画の存在をオレは知らなかった。子どもの心を失わないゆえに、子どもたちから愛される男が、戦争とファシズムのなかで翻弄される物語と、一口でいえばいえるか。
読んでないから確実なことはいえないが、おそらくより大河的なんであろう原作(ミシェル・トゥルニエの小説)を映画が消化し切れていないうらみも残るが、それでも印象的なシーンがいくつもある。不思議な歌を唱うユダヤ人の少年を肩車しながら、燃えさかる館を抜けて泥地をさまよう主人公の姿には、救世主的な宗教性さえ看取される。孤児院での生活やヒットラー・ユーゲントの養成所のシーンには、監督のホモセクシャルな少年愛嗜好がかいまみえたりして。ジョン・マルコヴィッチ怪演。
ホモセクシャルといえば、93年のキューバ映画「苺とチョコレート」は、社会主義体制下における同性愛がテーマ。正直、最初はくねくねオトコに抵抗があったオレではあるが、だんだんその生き方にシンパシーをもつようになった。こういうマイノリティー映画は嫌いではない。

ほかにも5月以来のレンタル作品をタイトル、制作年・国、評価(☆5つが最高点)でリストアップすると以下のようになる。レンタル履歴が簡単に参照できるのも、DISCAS の利点の一つだ。

「太陽の雫 」(1999年/オーストリア/カナダ/ドイツ/ハンガリー/☆)

「僕の彼女を紹介します」(2004年/韓国/☆☆☆)

「茶の味 」(2003年/日本/☆☆☆)

「ヴェロニカ・ゲリン 特別版」(2003年/アメリカ/☆☆☆)

「グッバイ、レーニン!」(2003年/ドイツ/☆☆☆☆)

「八月のクリスマス」(1998年/韓国/☆☆☆)

「アフガン零年」(2003年/アフガニスタン/日本/アイルランド/☆☆☆)

「ツバル」(1999年/ドイツ/☆☆☆☆)

「ブラディ・サンデー 」(2002年/英・アイルランド/☆☆☆)

「ヴァンダの部屋」(2000年/ポルトガル/ドイツ/フランス/☆)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ kojikoji (2005-08-31 (Wed) 19:46)

そんなサービスがあるとは知りませんでした。私も足腰が弱ってきたので、「いながら系」の便利さにひかれます。
それにしても、さすがに渋い選択ですね。星4つの「グッバイ、レーニン!」、私も観たいと思います。
そして、ひろぽんさん、お時間がありそうじゃないですか? 

_ ひろぽん (2005-08-31 (Wed) 21:50)

時間、あるのかもしれない(笑)。でも、まだまだ観たりないです。


この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。