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ひろぽん小石川日乗

心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば

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「ひろぽんの南イタリア旅行記」はこちら。

2005-01-30 (Sun)

[movie] 「モーターサイクル・ダイアリーズ」

若き日のチェ・ゲバラ。24歳。おんぼろバイクで友人と南米を旅したときのロードムービーである。ゲバラは、喘息持ちでシャイで心優しかったのだな。タフで陽気な友人アルベルトとのデコボココンビは、ロードムービーには不可欠のキャラクター設定だ。しばらくは無鉄砲な青春モノである。アルゼンチン・チリ国境を往くときのあの渓谷の絶景はどこだろうとか、観光映画としても楽しめる。

しかし、政権の弾圧を逃げて銅鉱山の苛酷な労働に従事しようとしているチリの共産主義者夫婦との出会いあたりから、それまでは金持ちのボンボン風だったゲバラの表情が引き締まってくる。このあたりの演出はうまい。アマゾン河支流のハンセン病患者の隔離病棟でのボランティアは、医師としての彼の原点になるはずのものだった。しかし、その後、ゲバラは医師にはならず、ラテンアメリカ社会の変革を志向する革命家となる。フィデル・カストロとの出会いが決定的だったのだが、そこは映画には描かれない。革命家誕生の前史。

他の人と同じようでいて、少しだけ違った青春。別れの日、誰も泳ぎ切ったことがないという川を泳いで患者たちに遭いに行くシーンは、爽快だ。ただ、最後の老人のシーンはなくもながであろう。主演のガエル・ガルシア・ベルナルは若いときのアラン・ドロンに似ている。ゲバラの陰影をよく表現しているように思う。(恵比寿ガーデンシネマ/☆☆☆/最高☆5つで)


この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。