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ひろぽん小石川日乗

心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば

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「ひろぽんの南イタリア旅行記」はこちら。

2004-08-30 (Mon)

酩酊

ひと嵐すぎて、といっても台風のことではなく、仕事の締め切りのことだが、ともあれそれをひとつやり過ごしてホッとした土曜日は夕方から起きて、一文→タイニーの定番コースで、1週間ぶりに酩酊した。オレの場合、酩酊状態とは、きわめてよく喋る(相手によっては説教モードになる)、帰りの電車で寝込み、きちんとミートスポットで下車できない(二駅乗り過ごし、戻るが、こんどはさらに逆に一駅乗り過ごすみたいな)、モノが二重に見える(たんなる老眼かもしれないが)、勾配のきつい坂道を登るのに苦労する(ときに滑り落ちる)などの状態を指す。

路上に寝こんだり、他人の家に上がり込んだりすることはない。そういう状態まで酩酊することは、酒飲み歴30年の歴史でいまだなかった。きわめてまれに公共物破損行為を犯すことがあるが、これはほんとにきわめてまれ。基本的にはいい酒だと思う。

どのぐらいの酒量だとこの酩酊状態に陥るのか。先週末の例だと日本酒冷やで4合、ウィスキーをシングル4杯、ビールをグラス2杯(だったと思う)。完全酩酊というよりは、「やや酩酊」状態ではあったが、おおよそこのあたりが日常の酒の限度ということだ。往時に比べればずいぶん弱くなったものだが、こんなものを自慢しても仕方がない。

飲み屋の関係

行きつけの飲み屋の常連とお盆に小旅行したと書いたら不思議がる友人がいたんで、それへの回答というわけじゃないんだが……。

フリーライターはけっこう実社会の経験が狭い。たしかに「取材」という次元でつきあう人は多いが、たいていは1時間とかそのぐらい話しただけの関係である。そんなんで何がわかるものか。それに加え、フリーの場合、いわゆる同僚とか先輩・後輩という関係もまたない。あったとしても同業ばかりで、こういう特殊業界ばかりの話をしていても、全然世間は広がらない。ましてや、中年シングルのオレのこと、そのままでいるとどんどん世間が狭くなる一方なのである。

どっぷり深くつきあうのはいやだが、浅く広く世間とかかわりを持ちたいという気持ちはあるので、その場所として飲み屋が使われるわけである。仕事に飽いた夜長に、ふと世間の風に当たってみたくなってというやつだ。だから、飲み屋といっても、同僚と一杯ひっかけながら会社のグチを言うという使い方とは全く異なって、カウンターの隅で一人世間を眼鏡越しに覗くという利用法。そういう斜めな使い方ではあるものの、たまには効用というか、得がたい人間関係をつくることはできる。一人で飲みに行けば自ずから飲み屋の主とよく話すようになり、その関係で店の常連客との関係が生まれる。その発展例が、先の小旅行グループになるわけである。むろんそれ以上に発展しようもないし、発展させようという下心もオレにはないのだが。

先日も、小石川のショットバーという、ポジション的にかなり中途半端な居酒屋で、隣に座ったカップル。後からママさんに聞けば、大病院勤務の若手医師と元看護婦の妻だという(このあたり、医療関係者がやけに多いという話はこの前書いた)。横顔しか見なかったが、奥さんは清楚な美人。一瞬、小倉千加子の「結婚とはカオとカネの交換である」というテーゼを思い出したが、ダンナもハンサムな青年なんで、そういう羨望感を越えたところで、ある種の麗しき、あるいは怪しき病院恋物語を想像したりして、少しばかりライターとしての創作意欲が湧いたりするのである。世間知を得るというよりは、こうなると、たんにオヤジ的妄想以外の何ものでもないが、所詮バーなどというものは、妄想空間以上でも以下でもないのだからして。

ちなみに小倉千加子のそのテーゼを初めて聞いたのは、NHKの「週刊ブックレビュー」で彼女がゲストとして招かれたときであった。小倉をインタビューするのが、既婚有職美人の三舩優子と中江有里である。美人の二人は「カオとカネの交換である」と言われて一瞬言葉に詰まり、曖昧な笑みを浮かべるのみ。小倉の俗流フェミニズムの怪気炎ばかりが、空虚にスタジオにこだまして、これはインタビュアーのアサインが悪いよ、小倉センセイにちょっと可哀相だよ、とそのとき思ったことだけは、記しておこう。

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_ Zephyros (2004-08-30 (Mon) 22:29)

中江有里…可愛かったなぁ。最近見ないなぁ。


この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。