むかし、朝日・岩波文化人という言葉があったが、最近のオレがそんな感じ。文化人じゃないけど、新聞は朝日と日経で、そのうえ毎月、岩波の「図書」、朝日の「論座」を定期購読、たまに「世界」を買ったりしている。「世界」は学生時代の知人、岡本氏が編集長だからほんとはもっと応援してやりたいのだが……。
で、6月号の「論座」は再びイラク特集。
酒井敬子と寺島実郎はイラク問題で各メディアに出ずっぱり。これに藤原帰一、高橋和夫あたりを加えると、「論座」の主論調がみえる。ただ、右の論客を少しまぶしているあたりがバランス感覚。なかでは、森本敏(拓殖大教授)の「ジャーナリストもNGOもいずれ資格制度が必要になる」には笑う。「ふつうであれば世間に顔向けできないのが常識である。それが平気で記者会見を毎日やって、政府批判をするなどは、これが現代の日本人の実体なのかと思うと情けなくなる」とは、むろん、人質問題の家族の対応への批判。わかりやすいが、世間的常識論の域を出ない。「いずれ大学教授にも資格制度が必要になる」と心配になる。
新しい収穫は篠田英朗(広島大平和科学研究センター助手)の「人質事件で露呈した日本の国際平和協力の限界」と桂敬一(立正大教授)の「政府に人質事件を“人質”に取られた市民とメディア」。
篠田は「常にまず国内政治闘争の発想」でしか国際問題を見れない日本政府や日本社会の思考回路の硬直性は、国際社会が要請する現実のニーズに対応できないと批判。日米同盟と北朝鮮問題という国益だけからの発想では、実効性のある国際貢献は不可能だと断じる。イラクの自衛隊についても、「給水よりも上下水道の整備、小学校補修よりも担当省庁の支援、『自己完結性の高い』活動よりも雇用促進を伴う活動」と具体的ニーズをぶつけている。
桂は元東大新聞研教授というガチガチの人だが、イラク戦争報道で国家に取り込まれつつあるメディアへの批判としては筋を通している。
オレも払ってないけどさ。これだけ国会議員に払う人が少ないっってことは、制度上の不備というか、メリットがないんでしょ。もういい加減、制度自体、止めれば?
それにしても、世界がこれだけ激動しているつーのに、年金問題ごときで大騒ぎの国って、なんなんざましょ。
ユーズド・ブックのコーナー。このところ古本市感覚で利用している。3冊ほど購入し、25冊出品して数日内に4冊売れた。やはり近刊の話題の本は人気が高い。歌野晶午、小川洋子なんかがそれ。とある企業の取材のときにもらった社長のサクセス本みたいな、えっ、こんなのも、ってのも売れていった。しかし、数年前のベストセラー、文庫化された有名作家の小説類などは、ネット古書店がそれこそ200円とか300円の値付けで大量に出品しているから太刀打ちできない。あんなに安くして儲けになるのかなあ。プチプチ袋が足りなくなるかもしれないので、これもネットでどさっと購入(笑)。こんなことで遊んでいる場合ではないのだが。
新聞の書評を見たり、人に薦められたりして欲しくなった本や商品のリストを、ファイルメーカーで管理することにした。オンライン書店の買い物カゴに入れておくというのも手だけれど、これはその前の段階用。ただ、ネットとのリンクは重要なので、URLを生成させて、Google、Amazon、bk1で検索させるFMのスクリプトを書いた。どうせなら、画像を自動的に取得してFMのオブジェクトとしてコピーできるようにしたいいんだが、そのスクリプトがわからん。ま、必要なら手動で、と。
今風なら、こんなものは全部 blog で表現するんだろうけれど、おれは今風じゃないし、わざわざウィッシュリストを公開するのもなんなので、これでいいのだ。
いろいろ調べていたら、Amagleという検索エンジンがけっこう良くできているのがわかったんで、Amazon 用はこれを使うことに。Amazon + Google の合成語?
しかし、それにしても今日は蒸し暑いなあ。
会社というものに通わなくなってもう何年になるんだろうね。フリーになったの27歳のときだから、もうかれこれ20年。うち半分ぐらいは別に事務所をもってやっていたから、そのころは毎日そこに出勤していた。自転車通勤なんていう健康な時代もあったのだ。この5年ぐらいは自宅が仕事場。寝る、起きる、食べる、仕事するのが同じところってのは、たしかに精神的によくないけど、まあ、オレの場合週の半分以上は取材や打合わせなどで外出するから、完全な引きこもり状態からは脱せている。
これがひたすら自宅で小説書いたり、翻訳したりする職業だと、どうやって気分転換するんだろうなあ。
それでも今日は一日中、部屋にいて仕事。雨が降っているみたいだけれど、その雨脚の強弱も感じることがなかった。最近は自宅にいるときはほぼ100%自炊だから、食材とタバコが切れていない限りは、一歩も外出しなくても生きていけたりするんだな。
ただ、いい加減深夜を回るころには仕事にも飽きが来て、ふらっと外に飲みに行ったり、深夜スーパーに買い物に行ったりする。でも、ここんとこ、深夜1時ごろに原稿進捗状況のお伺いをしてくる編集者がいるんで、気が抜けないのだ。
久しぶりに朝から、午後ベターと取材。昨晩寝そびれて、1時間ぐらい(?)しか寝れなかったので、昼の空き時間に霞ヶ関ビルのベンチでうとうと。爽やかな5月の風が気持ちよかった。6時過ぎに帰宅し、少し仮眠。しかし、また明日も朝から取材か。
数日前から寝ていても咳き込むようになった。少し喉が痛い。風邪ではなかろう。喉頭癌か(笑)。タバコが原因ってのはわかっているんだが。
ファイルメーカーのアップグレードの話題がMuONで出ていた。うちにもMacとWindows版が各1通案内が来ていた。けっこうフィーが高いから、どうすっかと思っていたが、最近、Mac版にはお世話になっているし、ver.7用にファイルを転換しちゃうとたぶんWindows版のver.6ではファイルが開けないなんてことが起こりうるだろうから、Windows版はほとんど使ってはいないというものの、仕方がないので各版ともにアップグレードすることにした。この1年はコンピュータ出費を抑えているから、痛い出費だ。
MuON Antenna関連──。田中求之氏の本棚写真に驚く。しかしなんだかんだとおっしゃっているが、学者さんの体系的な読書だと思うよ。いくつかのジャンルでオレの本棚と同じ本があって、うれしひ。
本といえば、新田氏のAmazonマーケットプレイス出品。おお、けっこう強気の値付けでも売れるもんですね。かくいうワシも、この24時間で、CD2枚、単行本2冊、立て続けに売れました。なかでもエジプト学のY村教授の本をお膝元のW大考古学研究所の人がご購入にはわらた。図書室に入ってないのか。
_ ibuski [田中さんの本棚、僕も持っている本を見つけて喜んでました。「スーパーエンジニアへの道」が2冊あるようだが大丈夫か?>田..]
朝から仕事。昼にいったん送るが、もう1章分残したまま、半蔵門まで取材に。夕方帰宅後、トンボ返しのように京橋へ。15年ぶりぐらいの知人と再会の夕べ。日経BP社の編集委員におなりになって……。教養溢れつつ、アグレッシブで、でも優しいお人柄は変わらず。
1次会で終え、小石川に戻り、一文寿司で軽く一杯。携帯に電話があって、某社某原稿に8行追加。今日はいい加減、もう眠い。
この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。
_ yu [ひたすら自宅な人でつ。まーなんとゆーか、そういう意味では(どういう意味だ?)東京を脱出したのは正解だと思うですね。]