先日、WoWoWのサッカー番組をHDDにレコーディング、それをさらにDVD-Rにダビングしようとしたら、できないやんの。コピーワンスのガードがかかっているからだって。ただ、DVD-RAM へならコピーではなく、移動はできる。今日あたりから他のデジタルBSでもコピーワンスが徹底されるらしい。スカパー!や地上波デジタルでもいずれ同じようになるんだろうか。著作権保護はわかるけど、こちらは HDD がすぐに一杯になるからDVDに焼きたいだけなんだけどなあ。
WoWoWのEuro2004を全試合保存版で録画しておこうと思っていたが、DVD-RAM だとメディア代だけで馬鹿にならないなあ。全体のメディアコストを考えるとまだテープのほうが安いってことか。
先週の山場を越したら、どうにも仕事の調子が外れてしまった。
ここ数日は請求書ばかり書いていて、2000字のコラム原稿もなかなか書けない。でも、そういうのを一つ一つクリアしていかないと、長い原稿にも手がつかない。そうこうするうちに、再来週からまた香港だしなあ。1週間も間が抜けると、また仕事のリズムが狂ってしまうのだ。
そもそも仕事の原稿なんて、書きたくてしょうがないってなものはほとんどなくて、よくよく考えると、なんでオレがこんなものを書かないといけないの、てなものばかり。だから、「よくよく考え」たりすると、原稿書きプロレタリアートはとたんにオマンマの食い上げになってしまうんだな。
ともあれ、1枚ずつ書くしかないぜよ。
「反米武装勢力は誇大妄想平和原理主義の馬鹿が作り上げた日本国の戦後の価値観そのものという『ソフトターゲット』を衝いた。自称ジャーナリストと一人一党ボランティアと柔らかい脳がピンクに染まった高校生上がりという組み合わせは見事というほかはない。」
時流便乗主義の右巻き・勝谷誠彦が吠えている。彼もイラクに行っていたらしい。「私の遭難時には『日本国政府はいかなる妥協にも応じるな。見捨てよ』という声明を即時に事務所を通じて出すことになっていた」というのは立派だ。だが、戦後価値観が狙われたというのは、ちょっと違うのではないか。人質が平和主義者であろうが、勝谷のようなナショナルおじさんであろうが、それが日本人だからこそ、人質としての価値があったにすぎない。人質は日本人であれば誰でもよかった。反米ゲリラのターゲットは、自衛隊であり、最終的には米軍なのだから。つまり狙われたのは、勝谷のいうような戦後価値などではなく、現代の日本の軍事政策、まさに戦後的価値を逸脱して戦場に登場しようとする日本のナショナリズムなのである。
「自衛隊は人道支援に行っているのだから撤退の余地はない」という福田の認識もその点、ピントが惚けている。ここは「戦争しているのだから、民間人はご遠慮いただきたい。それでも行くのなら止めないが命の保証はしない」といったほうが、より正しい。しかし、そういえば、自民党は次の選挙には勝てないだろう。
先週、金曜日。京王プラザで私の出版記念パーティみたいなものを開いていただいた。本題はA社の新社長お披露目ということなんだが、そのためだけにわざわざというのもなんなんで、本の出版ならびに事業スタートの宣伝も兼ねていた、んだろうが、なんか呼ばれた俺もよくわからん会ではあった。当人がそうなんだから、私と関係の薄い人たちは、何のために呼ばれたか、いまいち理解してなかったかも(笑)。
ま、いろいろ久しぶりな人にも会えて俺は嬉しかったね。挨拶して、文春系ライターの茂木ちゃんと即興トークショーみたいなことをやらされて、後はみんなして2次会カラオケに行って、相変わらずタクロー歌って、それでもまだ電車があったのは、スタートが6時だったから。
かなり疲れて、自宅に帰る途中のTinyPlaceでは寝そうになった。
焼殺されて遺体を損壊された米民間人は、実は、米特殊部隊の元メンバーだったと、田中宇が書いている。傭兵というわけではなさそうだが、しかし武装した元軍人であったことはたしかだろう。それが、米軍によるファルージャの虐殺を招来させ、それへの対抗手段としてのNGOボランティアを含む外国人拉致を招いた。映画『ブラックホーク・ダウン』に描かれたソマリア侵攻の場合は、墜落したヘリコプター要員の奪還が、結果的に兵士たちに地獄をもたらしたわけだが、どうも似たような展開になってきた。
人質問題の根本的解決のための方法は二つ。一つは、米軍増派による圧倒的軍事制圧で、ファルージャの武装スンニ派と、シーア派のサドル軍を壊滅させること。人質作戦の無効性を思い知らせるのだ。だが、いまもってフセイン残党さえ制圧できない米軍にそんなことが可能なのか。たとえ両者の制圧に成功したとしても、このままでは新たな反米ゲリラが生まれる可能性は大だ。むろん、この制圧戦の過程で現在囚われている人質は皆殺しになるだろう。
もう一つは、米軍が少なくともファルージャ包囲を解くこと。部分的撤退である。しかしここで一歩でも引けば、後はずるずると後退戦を強いられる可能性もある。前門の虎との対峙は回避しても、後門に狼、つまりサドル軍が控えているからだ。
たしかにアメリカの国益からいえば、ここは踏ん張りどころ、一歩も引かないというのが望ましいのだろうが、それって、日本の国益とイコールなのか。「ブラックホーク・ダウン」状態の米軍を支えよとまでは、イラク特措法はもとより、日本国民も望んではいまい。
イラクの混乱は、戦争をしかけ、占領したにもかかわらず、統治能力を発揮できない米軍に責任の過半がある。だから「いわないこっちゃない」。のこのこと出て行った米軍には「自己責任」を取らせ、自衛隊は、部隊に死者が出ない前に、速やかに名誉ある撤退をするのが吉。
うわあ、またまた知人が胃ガンで手術とか。そういえば、先のカメラマンのT氏、今回のS氏とは、3人でよく取材旅行をした仲。これは、一緒にあんなことしたり、こんなことまでした、その呪いなのか。次は俺かも。
明日から香港だというのに、その前にあげなければならない原稿が、えーと3本。ヒィ。イラク人質問題みたいなのがあると、頭が沸騰する気性は治ってないなあ>オレ。NGO関連で「国境なき医師団(MSF)」のページを探してたら、コーカサスで人質になっていた医師団のメンバーが20カ月ぶりに解放されたというニュース。この事件、オレは知らんかったよ。人質解放交渉のためにMSFはロシアの民間諜報機関を雇わなければならなかったという。日本のメディアは、イラクの日本人のことだけが気がかりだが(それはある意味やむをえないけど)、もうちょい世界の情勢を報道してくれたまえ。
紛争地域に入るボランティアに対する「自己責任論」が喧しいが、「世間を騒がせた」式の日本的情緒まるだしのところが、なんとも。この論議を英訳しても、海外の人はよくわからないかもしれない。ネットでみつけた、人道援助における日本のNGOの役割という論文。NGO全然詳しくないオレには、今回の問題を考えるうえで大いに参考になる。
曇り空、そんなに暑くない、でも相変わらず人が多くてかなわんな状態の香港島アドミラルティ地区から、いちおう更新しておくか。月曜日は打合わせに終始。その場でアポ入れしてもらって、ようやく体裁を整えたが、こういう準備は先にやっておいてくれよぉ。こっちは広東語まったく、英語も覚束ない、別に年中、香港ビジネス追っかけているわけじゃなくて、どっちかというと海外派遣に適さぬドメスティックライターなんだからさ。まったく。
午後から原宿で打合わせ、新橋に請求書届け。GW前の今しかないだろうと、渋谷シネマライズで『ロスト・イン・トランスレーション』を観る。映画館はパルコPart3の中にあるとばかりと思っていたのだが、Part3ってどこだっけ? やっぱり久しぶりの渋谷は道に迷った。ようやくPart3 を探し当てその最上階の映画館まで上がったら、どうも雰囲気が違う。シネマライズは対面のビルにある映画館だと教えられる。5時の回だったこともあり、ゆうゆう座れた。お目当ては、スカーレット・ヨハンソンちゃん。『モンタナの風に吹かれて』 で注目。『ゴースト・ワールド』でビックリ、という遅咲きのファンではあるが。映画はうーん、悪くないし、渋いし、笑えるし、中高年のラブ・アフェアとしてはぎりぎりの線で清潔感を保っているし、オレだったらヤっちゃうだろうなと思いつつ、そこで引いていく潔さみたいなところがカッコイイじゃんなのだが、いと深く感動というものでもない。
映画館を出て、スペイン坂を降り、道玄坂をさらに下る間、渋谷の光景自体がオレにとっては、ロスト・イン・トランスレーション。帰りがけ、神保町で降りて「乃むら」で蕎麦を食い、歩いて小石川まで。「TinyPlace」で、そんな異文化体験をワタナベさんに話をしながら、少し酔う。
この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。
_ yu [論文の本体はOsa-paper-J.pdfでんな。毎度のことながら、この国のメンタリティには滅入る。]