韓国/2003年/パク・チャヌク監督 チェ・ミンシク主演@シネマスクエア東急(☆☆☆☆/最高点は☆5つ)
チェ・ミンシクのものすごいパワーに圧倒され、見終わったあとシネスクのふかふかの席からしばし起きあがれなかった。タランティーノが絶賛したのもよくわかる、切ないまでの暴力性と、日本的情緒にも通じる「姉弟」「父娘」物語。しかし、こういうとなんだが、血の濃さが違うわ。こんな映画、最近の日本では撮れないかもなあ。
デンマーク/2003年/ラース・フォン・トリアー監督/ニコール・キッドマン主演/DVD(☆☆☆☆☆)
同監督の『奇跡の海』はへんてこな映画、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はいまいち感情移入できずにいたが、これは傑作。わかりやすさを心がけたせいかもしれない。反米というよりは、反「ブッシュのアメリカ」映画。政治的にはブッシュを支えるキリスト教右派、あるいは再道徳武装派への痛罵であることは明らかだからだ。しかし、それ以上に、これは反「ハリウッド・ムービー」の映画ともいえる。ハリウッド映画の甘いハッピーエンディング、偽善と似非ヒューマニズムで観客に媚びる手法への過激な挑戦だからだ。その闘争心はよし。けっしてコケ脅しではなく、「人間性」への理解は深いと思う。ニコール・キッドマンは『誘う女』に次ぐ快演。ただ、このストーリーこの結末ではアメリカでは商業的に成功しなかっただろうね。
この日記について、筆者は必ずしも内容の信憑性を保証するものではありません。あしからず。